vol.33 (2019)

情報メディア教育研究センター 研究報告
Vol.33, 2019 ISSN 1882-7594

表紙
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IMS 特集号発刊にあたって
常盤 祐司
受付: 2018年11月27日    PDF    抄録
IMS特集号を発行することになった。その背景は、近年のWeb技術により、教育支援ツールやサービスをLMSと統合することが加速され、IMSの技術標準がEdTech産業において大きな役割を担うようになってきたためである。この特集号では、日本IMS協会に関わるメンバーの協力を得て、日本におけるIMSの現状を報告する。
日本IMS協会の成立とミッション -次世代ICT活用教育と国際標準化-
山田 恒夫
受付: 2018年10月10日    PDF    抄録
一般社団法人日本IMS協会は、2016年、 IMS Global Learning Consortiumに「Contributing Member(正会員)」として参加する日本の法人によって設立された。その目的は、我が国ににIMS Global Learning Consortiumの技術標準を普及させることを通じて、eラーニングやICT活用教育分野でのグローバルなエコシステムに日本からも参画貢献できるようにすることであった。事業として、関連学協会と共催でセミナーや講演会を行うほか、IMS Japan賞などのイベント、IMS認定「訓練/実装支援管理士(IMS-certified “Training & Implementation Manager”)資格の認定を行い、サービスの質向上を図っている。
LTIに関する最新動向と法政大学における事例報告
藤井 聡一朗
受付: 2018年11月27日    PDF    抄録
LTIは多くのシステムで採用されている教育支援プラットフォーム連携のための国際的な標準規格であり,近年ではNGDLEの核となる要素として注目されている.本報告ではLTIの最新バージョンに関する情報及び法政大学でのLTIの利用事例について報告する.
Caliper Analytics v1.1概説
李 在範,常盤 祐司
受付: 2018年9月10日    PDF    抄録
Learning Analyticsによる学習分析やAIによるAdaptive Learningには学習履歴データが不可欠である。学習行動を追跡するためには、操作レベルの学習履歴データが必要であるが、IMS GLCが作成するCaliperにより収集すうことができるようになってきた。本稿ではCaliper v1.1に焦点をあて、機能や利用法について解説を行う。
IMS OneRoster 技術標準: v1.1仕様概要と日米における普及状況
藤原 茂雄, 久保 美那子
受付: 2018年10月1日    PDF    抄録
高等教育に限らず、日本の多く初等中等教育においても、複数のソフトウェア製品とシステムで構成された学習環境の利用が始まりつつある。 IMS OneRosterは、システム間でのクラス名簿およびそれに関連するデータを安全に共有するためのデータフォーマットと通信方式を定義した仕様であり、これをシステム間のデータ交換にOneRosterを採用することで、クラス名簿等のデータを手作業で登録する時間を節約し、学習記録の活用へつなげることが期待できる。本稿では、OneRoster v1.1の仕様、海外におけるOneRosterの適合状況、および日本での適応へ向けた活動を報告する。
QTI概説
永井 正一
受付: 2018年9月26日    PDF    抄録
世界的にCBTを利用した学力の判定が,普及してきている。IMS GLCにより策定されたQTIは,システム間の問題とテストの相互運用性を保証する規格です。このペーパでは,QTIの概要とケーススタディについて概説します。
標準化の視点から見た大学ICTシステムの統合 -熊本大学における事例研究-
中野 裕司
受付: 2018年10月18日    PDF    抄録
本稿では、大学におけるICTシステムの統合に関して、特に標準化の観点から熊本大学の事例研究を行った。シングル・サインオンと様々な形式によるデータ同期により、大学ポータルの下でシステムの統合利用環境を構築し、ユーザがシームレスに各種サービスを利用できる環境を構築した。特に、IMS Enterpriseを使用するSISとLMS間のデータ同期は、LMSの変更時に円滑な移行を可能にした。最近のWebアプリケーションでは、拡張性とマッシュアップの可能性からWebAPIの導入が進んでいる。WebAPIを用いるとリアルタイムでのデータ同期に有利だが、IMS Enterpriseはバッチ処理を前提としており対応が難しい。 IMS Enterpriseの後継標準であるIMS OneRosterは、CSVだけでなくWebAPIもサポートしており、SISに登録した直後にLMSに登録内容を同期・反映でき、今後、導入を検討すべきであろう。このようなデータ同期は現場レベルの話と見なされる傾向があるが、現実には、サービスの改善、コスト削減、セキュリティ強化に直結するため、長期的戦略に基づいて検討する必要があろう。
サイバー大学におけるIMS LTI®規格の活用
田中 頼人
受付: 2018年9月10日    PDF    抄録
本稿ではサイバー大学がフルオンライン講義のために開発した学習プラットフォーム “Cloud Campus” の機能について述べる。 Cloud Campusはeラーニング技術標準の一つであるLearning Tools Interoperability® (LTI®)の仕様に準拠し、他のLMSに動画教材を配信することができる。 また、サイバー大学はLTI®を利用した他大学との実証実験を行い、他大学のLMSからもCloud Campusによる教材を円滑に利用できることを確認した。
最新のIMS標準を実装するCanvasによる授業改善の可能性 -法政大学における事例研究-
常盤 祐司
受付: 2018年8月31日    PDF    抄録
米国の大学でBlackboardと同じ28%のLMSのシェアとるようになったCanvasはIMS GLCが策定する技術標準の認定を最も多く取得しているLMSでもある。法政大学情報メディア教育研究センターでは2018年度から本システムを試験的に導入し、春学期の授業で利用した。本研究では、IMS GLCの技術標準のうちLTIとCaliperに注目して、(1)教員が行いたい授業をLTIとCaliperを用いて開発できるか。(2)LTIとCaliperの利用により授業を改善できるか。ということを明らかにした。