vol.24 (2011)

情報メディア教育研究センター 研究報告
Vol.24, 2011 ISSN 1882-7594

表紙
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ファンデルワールス状態方程式による実在気体の熱力学
片岡 洋右, 山田 祐理
受付: 2010年10月7日    PDF    抄録
内部エネルギーのファンデルワールス状態方程式を導き、これと圧力のファンデルワールス状態方程式とを使用して、等温可逆膨張、断熱可逆膨張、断熱自由膨張を熱力学で解いた。ジュールトムソン効果を調べた。
車いす使用者が含まれる映画館からの避難シミュレーション
河西 志歩,竹内 則雄
受付: 2011年2月26日    PDF    抄録
車いす使用者が気軽に映画鑑賞をできるようにするためには,災害時などにおいて,安全な避難を実現しなければならない.本研究では,はじめに,車いす入場が含まれな場合の避難経路をシミュレーションにより検討した.さらに,この結果を踏まえて,車いす利用者が含まれる場合,全体の避難行動に車いすがどのように影響するかを検討し,車いす使用者が災害発生時に逃げ遅れない避難経路や座席配置,出入り口配置を検証した.
ハイブリッド型ペナルティ法における面内変形線材要素の開発
堀田 貴史,竹内 則雄
受付: 2011年2月26日    PDF    抄録
本研究は,骨組構造や,様々な要素と組み合わせて解析が可能なHPMにおける面内変形線材要素を開発した.変位場として,解析解と同じ精度が得られるよう,軸方向変形および曲げ変形に対して,それぞれ,1次式と3次式を仮定した.なお,要素毎に独立な変位場の連続性は,中立軸における並行変位に加え,たわみ角の連続性を考慮してペナルティ関数により仮想仕事式に導入した.最後に,簡単な計算例を用いて十分な精度の解が得られルことを示した.
イソブタンの断熱可逆膨張
須川 雄貴,片岡 洋右
受付: 2011年3月1日    PDF    抄録
高温高圧のイソブタン液体の断熱可逆膨張を利用した逆カルノーサイクルを利用して十分な冷却効果を得ることができることを、ファンデルワールス状態方程式に基づき熱力学的に導いた。また高温高圧のイソブタン液体の分子動力学シミュレーションにより、膨張により一定の温度低下を得た。
二酸化炭素の物性
齋藤 匠,片岡 洋右
受付: 2011年3月1日    PDF    抄録
二酸化炭素結晶の相転移をNTPアンサンブル分子動力学シミュレーションから求めた。固体・液体・気体の変化をモルポテンシャルエネルギーとモル体積の温度変化ら得た。相転移は2体相関関数と平均2乗変位でも確認した。NTVアンサンブル計算から臨界点も求めた。得られた相図は低圧部分では巨視的実験とかなり異なるものとなった。
最適化手法を用いた建物の同定問題
秋元 一成,吉田 長行
受付: 2011年3月4日    PDF    抄録
本研究の目的は,常時微動観測機器を用いて常時微動下の対象建物を観測し、得られたデータのみから建物の振動特性等を探り、構造諸量を同定するプロセスを構築することにある。本プロセスによれば,耐震診断業務において,図面からデータを拾い,計算用構造モデルにインプットするなどの作業を短縮し,また,図面等の資料が得られない場合でも既存建物の耐震性を診断できる利点がある。
骨格粒子モデルの動的追跡法‐多様な要素形状による比較
松苗 尚人,神崎 壮一郎,吉田 長行
受付: 2011年3月2日    PDF    抄録
本論では,同じ大きさの円要素を粘性結合させたものを「近似楕円要素」,大きさの異なる円要素2つを粘性結合させたものを「粘性結合円要素」と称する.これに「円要素」を加えた3種の要素を用いた地盤モデルに様々な振動外力を与え,形状の変化による粒子の挙動を解析結果より比較し考察する.
アルゴンのジュールトムソン効果の逆転温度
蔀 康太朗,片岡 洋右
受付: 2011年3月3日    PDF    抄録
アルゴンのジュールトムソン係数の逆転温度を分子動力学シミュレーションから求めた。巨視的実験で知られているように低圧で中間温度領域でジュールトムソン係数が正になることが分かった、ファンデルワールス状態方程式で得られたジュールトムソン係数の逆転温度と比較し一定の対応を得た。
ファンデルワールス係数の決定
小関 大由,片岡 洋右
受付: 2011年3月3日    PDF    抄録
比較的高温の He, Ne, N2と Ar気体で分子動力学シミュレーションを行い、ファンデルワースル状態方程式の係数 a,b を定めた。定められた係数は巨視的実験から定められたものと、He を除いて良く対応する。また得られた係数の有効性を、アルゴンについて気液共存点を求めて確かめた。
NaCl水溶液における相転移の分子動力学シミュレーション
大塚 亮,片岡 洋右
受付: 2011年3月3日    PDF    VIDEO    抄録
NaCl水溶液と水の系について沸点を比較した。計算方法として新たに液相のセルと真空のセルを貼り合わせる方法を提案した。この方法ではNaCl水溶液においてNa+とCl-は液相にとどまる結果を得た。NaClの方が沸点が高いが、沸点の値自体は非常に高温であり、モデルの改良がまだ必要である。
フッ化水素の相転移
尾崎 達広,片岡 洋右
受付: 2011年3月3日    PDF    抄録
フッ化水素の相転移を分子動力学シミュレーションで調べた。融点・沸点を巨視的実験値と比較し合理的な値であることを確認した。相転移の様子を固体窒素と比較した。液体フッタ水素の回転緩和時間は1ps程度であり、回転無秩序相の固体窒素の回転緩和時間より1桁長いことを見出した。水素結合の特徴が現れたためと考えられる。
分子動力学法によるAl-Cu合金の相転移
藤本あろう,片岡 洋右
受付: 2011年3月4日    PDF    抄録
Al3Cu合金における相転移を分子動力学シミュレーションにより調べた。実際の合金はアルミニウムや銅と比べ、この合金では単独の場合とくらべ融点が低い特徴がある。温度を固体から上げてゆく方法では、Al-Cuの融点を直線で結んだ場合より低温に合金の融点が得られたが温度の低下は十分ではない。液相から温度を下げてゆく方法では低い温度の相転移温度が得られた。二つの方法による相転移温度を平均すると、巨視的実験値を近い値となる。
分子動力学法によるアルゴンと水の自由膨張
柿沼 仁美,片岡 洋右
受付: 2011年3月4日    PDF    抄録
アルゴンと水の断熱自由膨張を108分子系から4000分子系までの範囲で分子動力学法により調べた。臨界温度の2倍付近から体積が2倍になるように、真空部分のセルを張り合わせた。温度は十分下がった。その結果は内部エネルギーのファンデルワースル状態方程式を比較してほぼ対応することが分かった。
キセノンの相転移シミュレーション
中田 智則,片岡 洋右
受付: 2011年3月4日    PDF    抄録
キセノンの相転移を分子動力学シミュレーションで調べた。また気液臨界点も求めた。沸点が非常に高いところに見つかった。アルゴンと比較してどちらもレナード-ジョーンズ相互作用を仮定しており、ともに巨視的実験値と比べ1.5倍くらいの値になっている。この種の関数の特徴かと推測される。
NaCl,KCl,CsClの安定性の比較
平川 皓一,片岡 洋右
受付: 2011年3月4日    PDF    抄録
NaCl,KClとCsClについて結晶構造をNaCl型とCsCl型の2種を仮定して分子動力学法で相転移を調べた。Materials ExplorerのCFFポテンシャルを使用した。その結果どの塩でもNaCl型の方が安定との結論を得た。NaClとKClでは巨視的な実験と合っているが、CsClでは現実の物質ではCsCl型の方が安定であるから、ポテンシャルを改良して定性的に合う結果を得た。
常時微動観測による建物の同定問題
藤岡 裕貴,吉田 長行
受付: 2011年3月4日    PDF    抄録
現在,建築基準法改定の流れを受け,建物の耐震性や耐震補強についての考慮が重要となっている。本研究は地盤振動による実在建物の振動性状を把握することを目的とした研究である。法政大学市ヶ谷キャンパス58年館正門側低層棟を対象に常時微動観測機器を用いて振動計測を行い,得られた観測データと,作成した3次元構造モデルの解析結果との比較検討を行う。
東京都江東区の緑と水がもたらすヒートアイランド緩和効果の検証
新郷 洋平,鈴木 俊也,宮下 清栄
受付: 2011年3月4日    PDF    抄録
This research verified the effect of the heat island easing by the sea breeze, the large-scale park, the water park, and Tokyo bayside for Koto Ward, Tokyo where large-scale urban development such as Odaiba, Toyosu, and the sunamachi was remarkable. Urban environmental climate map was able to catch the possibility of an urban cooling effect with the sea breeze and the park and the vertical interval of the rejection calorie by the difference of the land use and differences of the earth surface temperature of the seaside part and the inland areas by the satellite image. Moreover, it was able to be proven that natural environment such as green spaces, and water spaces had the potential of the cooling effect by using CFD and water and green environment invented the effect of the heat island easing.
1次元・2次元弾性体におけるCIP法による波動境界処理
田嶋 慶介,吉田 長行
受付: 2011年3月7日    PDF    抄録
一般的に,地盤の非線形な動的挙動の解析には有限要素法が用いられるが,無限あるいは半無限弾性体の波動伝播問題に有限要素法を適用する場合には,逸散波が境界領域で反射しないための工夫が必要である。しかし,有限な狭領域で逸散波を完全透過できる境界処理法は確立されていない。そこで本研究では,CIP法を用いた新しい境界処理法の確立を目指し,1次元・2次元モデルを用いて手法の提案と検討を行っている。
気泡除去装置の形状パラメータの最適化
坂間 清子,田中 豊,鈴木 隆司
受付: 2011年3月9日    PDF    抄録
油圧システムのパワー伝達媒体として用いられる作動油中の気泡は,油圧機器の動特性や寿命の低下,また故障の原因となり,積極的に除去する必要がある.この気泡を除去する手段として,旋回流を用いて気泡を除去する気泡除去装置の利用が有用である.本研究では,数値解析を用いて気泡除去装置内部の流れの挙動を明らかにし,高性能な気泡除去装置の形状パラメータを導き出すことを目的としている.本報では,放気口径と下流管路部径の関係について検討した結果,両者の最適な関係は作動流体の条件や他の形状パラメータの影響を受けることが明らかとなった.
フェノキシドイオンの気相安定性に及ぼす置換基効果
中田 和秀,藤尾 瑞枝,西本 吉助,都野 雄甫
受付: 2011年4月3日    PDF    抄録
環置換フェノキシドイオンの気相安定性に及ぼす置換基効果を理論計算を用いて決定した。得られた置換基効果を対応するベンジル位アニオン系の置換基効果と比較した。その結果、フェノキシドイオンの気相安定性は、ベンジル位アニオン系と同様、誘起効果、共鳴効果、およびサチュレーション効果の3つの電子効果に支配されており、置換基効果が上記3項からなる拡張湯川-都野式によって必要十分に記述されることが明らかになった。
ゴルフクラブにおける打球音シミュレーション
齋藤 幸宏,久保田 孝佑,久保田 康稔,岩原 光男,御法川 学
受付: 2011年4月22日    PDF    抄録
放射音予測プログラムは当研究室で開発した放射音を予測するプログラムである.過去の研究でゴルフクラブの打球音を予測する研究が行われており,実際の音と放射音予測プログラムにより計算した音に違いがみられた.原因としてプログラムが回折音や反射音を計算していないことが挙げられた。そこで本年度はホイヘンス-フレネルの原理を用いて1次回折音,1次反射音の計算を試みた.