vol.23 (2010)

情報メディア教育研究センター 研究報告
Vol.23, 2010 ISSN 1882-7594

表紙
PDF   
動的磁壁画像の可視化による強磁性体の磁化特性と1/fゆらぎ周波数特性
石井 隆,齋藤 兆古
受付: 2010年2月20日    PDF    抄録
磁性鋼板は電気・電子機器を構成する主要な材料である。磁性材料は磁区と呼ばれる微小磁石の集合で構成され、外部磁界に応じて材料中の磁気エネルギーが最小となるように磁区が変化する。すなわち、磁性材料の磁化過程は外部磁界に対する磁区挙動である。 我々は磁区の電子顕微鏡画像から磁性体の磁化特性を抽出する全く新しい方法を提案した。現在、我々はビッター法を用いて磁性体の磁化特性を抽出する方法を開発している。
非接触給電システム近傍磁界分布のウェーブレット解析
髙田 将吾,齊藤 兆古
受付: 2010年2月21日    PDF    抄録
近年、地球温暖化に対処すべく開発されている電気自動車の給電方法として非接触給電が検討されている。非接触給電システムの構造的に避けられない問題点は漏れ磁束の増加であり、周辺機器や人間へ障害を与える可能性が否定できない。本論文は上記の観点から簡単な非接触給電システムを試作し、給電時に生成される周辺磁界分布をウェーブレット解析し、非接触給電システムの構造的問題点の把握とその解決法を検討する。
ハイブリッド型ペナルティ法による動的応答解析
宍戸 悠人,柴田 朝子,竹内 則雄
受付: 2010年2月25日    PDF    抄録
HPMでは,弱い変位の連続性を満たすため,ペナルティ関数を用いる.動的問題における逐次積分法のような反復計算において,このペナルティ関数が解へ与える影響は十分に検討されていない.本論文では,動的問題に対して,Newmarkのβ法を用いた陰解法によるHPMの定式化を示し,数値計算例によって解の精度を検証した.2次元問題に関しては,FEMと一致する解が得られた.また,2次元,3次元とも梁理論のと比較において類似の結果が得られた.陰解法によれば,ペナルティ関数を用いるHPMにおける動解析においても,FEMと同程度の精度の解が得られる.
NaCl水溶液における相転移の分子動力学シミュレーション
小山 美香,片岡 洋右
受付: 2010年2月26日    PDF    抄録
液体の水とNaCl水溶液を分子動力学法で作成し、NTPアンサンブルで特に沸点を調べた。 水に対するモデルはSPCEでイオンとイオンおよびイオンと水分子間の相互作用はCFF関数を使用した。沸点上昇が得られたが、その値は過大になったのでポテンシャル関数の改善や、シミュレーション条件の再検討が必要である。
酸素の物性
種岡 宏介,片岡 洋右
受付: 2010年2月26日    PDF    抄録
等核2原子分子である窒素分子と酸素分子は固体では相図がことなり、低温低圧における結晶形も異なる。固体酸素の構造と相転移を調べるために、小さな単位セル(N=4)で安定な構造を分子動力学法で求めてそれを積み重ねる方法で固体酸素の低温低圧の構造(アルファ-相)を再現できた。使用したモデルポテンシャルはDreiding とOPLSである。後者の方が固体酸素には適している。
窒素の相転移シミュレーション
齊木 麻弥,片岡 洋右
受付: 2010年2月26日    PDF    抄録
等核2原子分子である窒素分子と酸素分子は固体では相図がことなり、低温低圧における結晶形も異なる。固体窒素の構造と相転移を調べるために、小さな単位セル(N=4)で安定な構造を分子動力学法で求めてそれを積み重ねる方法で固体質素の低温低圧の構造(Pa3-相)を再現できた。使用したモデルポテンシャルはDreidingである。またN=4でのNTVアンサンブルでのシミュレーションを高密度で行うことで、固体窒素の高圧構造を得ることができた。
分子動力学シミュレーションによる氷Ⅷから氷Ⅶへの相転移
澤田 純平,片岡 洋右
受付: 2010年2月26日    PDF    抄録
高圧低温の氷Ⅷから高圧高温の氷Ⅶへの相転移をNTVとNTPアンサンブルで調べた。 使用したモデルは液体の水とともに氷に適用可能なTIP4Pである。相転移の特徴は熱力学量以外に回転相関関数の緩和後の値が有効であった。回転に関する相転移に伴うエントロピー変化を各相における許される配向の数で議論した。
分子動力学法によるヘリウムとアルゴンの混合物の蒸発
小山 啓,片岡 洋右
受付: 2010年2月26日    PDF    抄録
ヘリウムとアルゴンの混合物の蒸発の様子を分子動力学法で観察した。モデルポテンシャルはそれぞれに対応するレナードジョーンズ型の関数である。基本セル内に含まれる分子数はともに128個である。ntpアンサンブルで分子系の温度変化を見た結果、低温では液体の2相、中間の温度ではアルゴンが主成分の液相とヘリウムが主成分の気体、最も高温度では混合気体となり、混合系の蒸発の特徴を再現できた。
分子動力学法による塩化ナトリウムの水溶過程
徳永 慧一郎,片岡 洋右
受付: 2010年2月26日    PDF    抄録
NaClが水に溶解する過程を分子レベルで調べるために初期構造としてNaClを結晶の分子配置を選び、液体の水に溶解する分子シミュレーションを行った。緩和過程を調べる目的で平均2乗変位と自己拡散係数、2体相関関数と積算配位数、熱力学量さらに回転相関関数を計算した。溶媒和が完成するまでの時間と内部エネルギーなどの熱力学量の緩和する時間を求めた。
分子動力学法による気体ネオンの急冷
北野 貴大,片岡 洋右
受付: 2010年2月26日    PDF    抄録
気体ネオンの急冷によりクラスターを得た。温度を上昇させると一定温度で気体へ変化する。これを一種の相転移温度と考えて解析し、体積の変化に応じてその対数で転移温度が書かれることを導いた。これは相転移に伴う内部エネルギーの変化は、密度にあまり依らないため、相転移に伴う内部エネルギーの変化が体積で決まる転移エントロピーで書くことができるからである。
共振型ECTセンサによる金属中欠損の一可視化法
細原 隆史,齋藤 兆古
受付: 2010年2月26日    PDF    抄録
金属の非破壊検査の中で、渦電流探傷(ECT)法は検査対象と直接接触を必要せず、比較的簡単な装置で高速な作業が行える反面、渦電流の流れる方向により金属中の欠損を探知できない問題もある。しかし、その汎用性は高い。本論文は従来型ECTでは無視された欠損部に起因するキャパシタンスを利用した共振型ECTセンサーを提案し、これを用いて金属中の欠損を可視化する一方法を提案する。
ハイブリッド型ペナルティ法による非定常熱伝導問題の解析法
斉藤 大樹,田尻 康之,竹内 則雄
受付: 2010年3月2日    PDF    抄録
HPMは,固体力学諸問題の解析ばかりでなく,スカラー場の問題にも適用することができる.例えば,熱伝導問題の場合,ペナルティ関数を用いることで,部分領域間で弱い温度の連続性を満たすことができる.この方法によれば,定常問題の場合,FEMと同程度精度の回が得られる.しかし,固体力学における動的問題の場合と同様に,非定常問題における時間積分において,ペナルティ関数の影響がどの程度あるか検討されていなし.そこで,本論文では,時間積分に陰解法であるクランク・ニコルソン法を適用し精度の検証を行った.その結果,ペナルティ関数を用いていても,解析解と同程度の精度解が得られた.
シミュレーションによる高齢者施設における避難誘導法の検討
小原 麻里,竹内 則雄
受付: 2010年3月3日    PDF    抄録
高齢者施設における災害弱者を含めた避難訓練は事実上難しく,あらかじめ避難シミュレーションを行い,避難行動の検討を行って誘導者に十分周知しておく必要がある.本研究では,高齢者施設の中でも要介護の高い人が入居している特別養護老人ホームにおけるユニット型の介護施設を取り上げ,避難誘導法に関するシミュレーションを行った.当然,介護者が多くなるほど避難時間は短くなるが,介護者が少ない場合は,介護者全員で一つ一つのユニットを回り,総力で避難誘導すると効果的であるという結果が得られた.
常時微動観測による建物の同定問題
秋元 一成,吉田 長行
受付: 2010年3月5日    PDF    抄録
3階建てのビルの振動特性を観測と数値解析の両方によって調査する.観測は常時微動観測器を使用し,振動データを得る. 得られたデータは,固有周期と振動モードを評価するためにF.F.Tで分析される. 他方では,F.E.M.解析が行われる.まず図面等から分析した梁・柱・耐震壁を考慮したモデル化を行い,剛性・質量マトリックスを作成する.最終的にモデルの固有値解析の結果と観測結果を比較する.
骨格粒子モデルの動的追跡法
助川 智洋,松苗 尚人,吉田 長行
受付: 2010年3月4日    PDF    抄録
崖崩れや地盤の液状化などは個別要素法によって研究されている.これは不連続体の解析手法であり地盤や岩盤崩壊の検討を行なう際に有効であるが,問題点として計算時間が挙げられる.従来の研究では,接触判定が単純な円形要素を用いて解析を行なっているが,円形や楕円の要素だけでは不十分である.楕円要素の計算時間の短縮には限界があるため,本研究では楕円を近似した粘性結合円要素を提案し円形及び楕円要素と比較する.
CIP法による波動透過境界処理に関する研究
田嶋 慶介,吉田 長行
受付: 2010年3月4日    PDF    抄録
地盤の非線形な動的挙動問題を扱う場合,有限要素法が有効かつ柔軟な手法ではあるが,有限要素法は本来,有限領域を対象とする数値解析手法である.そのため,無限あるいは半無限弾性体の波動伝播問題に適用する場合には,内部から外部に逸散する波動が,境界領域で反射しないための工夫が必要である.このような,有限な狭領域で逸散波を完全透過できる境界処理法は確立されておらず,本研究では,CIP法を用いた新しい境界処理法の確立を目指している.
時間領域一次元信号の揺らぎ周波数特性抽出とその一応用
野嶋 悟士,齋藤 兆古
受付: 2010年3月4日    PDF    抄録
多くの時間領域一次元信号はオシロスコープで電気信号として可視化される。音声信号や計算機のクロック信号などが代表例である。これらの信号の中で、人間の可聴周波数である音声信号はキーボードを経由せずに計算機へコマンドを入力可能とするため、計算機と人間間の有力なインターフェイスと考えられ、これを実現するために音声認識・識別方法が鋭意研究開発されている。 本研究では、音声認識・識別の一方法として音声の1/fゆらぎ周波数特性応用を提案し、この方法を強磁性体のバルクハウゼンノイズの識別へ応用し、磁性体金属の残留応力、欠損などの識別を試みる。
分子動力学シミュレーションによるアモルファス炭素の融解
林 友英,片岡 洋右
受付: 2010年3月5日    PDF    抄録
分子動力学法を用いて不定形炭素の融解を調べた。使用したポテンシャル関数はダイアモンド結晶において使用されるTersoffである。熱力学量の温度変化で不定形物質の融点を決めるのは困難であるが、平均2乗変位のプロットから分子の動きの観点から固体か過冷却液体かを判定できることを使い、不定形炭素の融点を求めた。
水+メタノールクラスターにおける分子動力学シミュレーション
飯高 浩太郎,片岡 洋右
受付: 2010年3月5日    PDF    抄録
分子動力学法を用いて水30分子ととメタノール1分子からなるクラスターを気体密度で温度を急冷することで作成した。熱力学量と2体相関関数を調べ、クラスターが崩壊する温度を探した。120Kでメタノールと水の結合が切れることが分かった。
分子動力学法を用いた酸化アルミニウムの融解
小林 祐貴,片岡洋右
受付: 2010年3月5日    PDF    抄録
分子動力学法を用いて酸化アルミニウムの融解を調べた。使用したポテンシャル関数は Oxide と CMAS94である。酸化アルミニウムの融点を議論するためには CMAS94 の方が優れていることが分かった。また融点の圧力依存性を調べ、圧力に弱く依存することが分かった。
音楽に伴う1/fゆらぎ周波数成分の抽出とその人間生理への応用
菅井 桂子,齋藤 兆古,堀井 清之
受付: 2010年3月5日    PDF    抄録
現代の多くの機器は、単に高性能が要求されるだけで無く、より洗練されたヒューマンインターフェイスを備えなければならない。このような意味で、現代の人間工学は取り扱い易さに加えて人間へ与える心理的効果も考慮しなければならない。音響は人間の感性へ訴える最も効果的な信号である。このことは近年、音楽療法が多くの医療施設で取り入れられるなど、音楽の効果的な作用が医学的に認められていることからもわかる。本研究は人間へ癒しを与えるとされる1/fゆらぎが、音楽の持つ不確か性を明らかにする一指標とならないかを探ることが目的である。具体的には、対極的な性質を持つ二種類の音楽中に、1/fゆらぎ周波数成分がどのように含まれているかを可視化する。さらに、それらの音楽が人間生理へどのように作用しているかを脳波測定により調べる。
ArcGISと社会経済データを使用した東京都の侵入窃盗犯罪の分析
岩倉 希
受付: 2010年3月5日    PDF    抄録
犯罪が発生する環境や地域偏差に注目し、犯罪者・被害者・犯罪機会の時空間的な分布と相互作用を分析し場所の特性を明らかにしようとする研究がすすめられている。しかしどのような地域特性が犯罪者の動機付けの促進または抑制となるのかについての心理学的な研究は少ない。本研究ではこれまでの犯罪発生に関する心理学的理論をもとに、機会犯罪に着目して、どのような環境要因が犯罪行為の動機付けの促進や抑止となるのかを明らかにする。東京都23区を対象として、町丁目単位の住宅対象侵入盗犯罪発生率と地域特性の関連を検討する。
Si3N4の微粒子高速衝突損傷の数値シミュレーション
小川 靖博,新井 和吉,佐藤 英一,長谷川 直
受付: 2010年3月5日    PDF    抄録
本研究では,Si3N4に微粒子が高速衝突した場合の損傷挙動の数値シミュレーション手法を確立する目的で,Si3N4に対する微粒子高速衝突損傷の数値シミュレーションを行い,それぞれの材料の損傷挙動について検討を行った.さらに,Si3N4に衝突する微粒子の直径を変化させて数値シミュレーションを行い,損傷形態と損傷プロセスの検討を行った.
写真投影法を用いた自己理解教育の試み
田澤 実
受付: 2010年3月5日    PDF    抄録
本研究の目的は、第一に、写真投影法を用いた演習授業により、進路選択における自己理解が促されるのか,第二に、この演習授業が実際に進路を選択する上で効果があるのか検討することであった。その結果、自分の撮影した写真のカテゴリーが変化した認識していたと思った者が全体の半数いた。また、全体の8割以上は進路先が決定し、全体の4割以上の者が、写真投影法による演習授業が実際に進路選択に役立ったと認識していた。
ゴルフクラブ放射音の予測
久保田 孝佑,齋藤 幸宏,岩原 光男,長松 昭男
受付: 2010年3月8日    PDF    抄録
当研究室では, 3次元CADデータから放射音を予測するため,これまで音響シミュレーションプログラムを開発してきた.過去の研究ではゴルフクラブの打球音を予測する研究を行っており,ドライバーでの加振実験によって収録した音と,音響シミュレーションプログラムにより算出した音に違いが見られた.本研究ではプログラムの精度を確認し改良する. 今回プログラムの精度を把握するために,有限要素モデルの誤差が少ない平板,円筒モデルを用いて実験と計算を行い表面速度,音圧を比較する.比較することで「表面速度の計算」,表面速度から求める「直進音の計算」,また現在のプログラムで考慮していない「音の回折による影響」について検討する.
小型直流ファンの振動特性
吉田 達也,長松 昭男,岩原 光男
受付: 2010年3月10日    PDF    抄録
本研究目的は、3種類の小型の直流ファンである。小型直流ファンでの実稼働状態における振動は、ファンの不釣り合いや流体の圧力変動によって、引き起こされる。小型直流ファンの使用環境下での大きな振動問題として、小型直流ファンの振動低減と共振の回避が求められている。本研究では、稼働中の小型直流ファンの振動問題を解明し、ファンのスペクトログラムを求めた。そして、実験モード解析により現象を理解した。
逆行列法を用いた伝達経路解析
岩原 光男,川口 裕貴,長松 昭男
受付: 2010年3月10日    PDF    抄録
昨今,自動車をはじめ機械の騒音振動問題は,製品開発において,他社製品との差別化要因としてみなされるようになり,より重要な問題となってきている.特に自動車の開発行程において,この問題に対して,伝達経路解析(Transfer Path Analysis,TPA)を用いた解析・対策が行われている.これは,複数の振動源と振動伝達経路の中から寄与の高いものを特定する手法で,製品の低騒音・低振動化と工程の短縮のために,高い精度と効率化が求められている. 本研究では,逆行列法を用いた伝達経路解析における加振力の同定及び各加振点の寄与率解析に注目し,その理論と精度を検証,考察するものである.また,加振点と応答点の数を一致させ,正則行列を用いて行う手法と,応答点の数を増やし長方行列を擬似逆行列化して行う手法を比較,検証する.また,応答点同士を近接して設定した際の加振力の同定精度について考察する.
ステッピングモーターの低騒音化
岩原 光男,八尾 拓門,長松 昭男
受付: 2010年3月10日    PDF    抄録
ステッピングモーターは,高精度な多点位置決めが簡単にでき,小型で高トルクが得られる特徴を持っている.このため,機器の高性能化,小型化,低コスト化の要求に適合し,非常に幅広い用途に使われるようになった.トルク向上,高応答性が要求され続けているが,最近ではさらに低振動,低騒音という新しいニーズが要求されるようになった. 本研究では音圧,振動解析により騒音の原因を調査し,共振現象を改善することで騒音の低減を目指した.また,ステッピングモーターの構造変更を行うために有限要素モデルの作成を試みた.
フェニルアミノアニオン系の気相安定性に及ぼす置換基効果
中田 和秀,藤尾 瑞枝,西本 吉助,都野 雄甫
受付: 2010年3月12日    PDF    抄録
種々のフェニルアミノアニオン系の気相安定性に及ぼす置換基効果を理論計算を用いて決定し、互いに比較した。統計的検討からベンジル位アニオンの気相安定性は、誘起効果、共鳴効果、およびサチュレーション効果の3つの電子効果によって決まることが明らかになった。この事実は、アニオン系の置換基効果解析においては上記3項からなる湯川-都野式が必要であることを示唆している。
空気ばねを用いたディーゼルエンジンマウントの開発
齋藤 圭太,大久保 治彦,岩原 光男,長松 昭男
受付: 2010年3月15日    PDF    抄録
現在の商業車両の多くには経済性などの観点より,ディーゼルエンジンが使用されている.しかしディーゼルエンジンは,ガソリンエンジンに比べて振動が大きく,低周波振動による人体への影響や,高周波振動による騒音が問題となっている.商業車における車内環境の快適性は,市場競争に欠かせない要素となっている. 空気ばねは従来の防振ゴムに比べ,ばね定数が約1/10に抑える事が可能となる.そこで本研究では空気ばねを採用したディーゼルエンジンマウントによるエンジン振動の大幅低減の実現性を検討する.なお,本研究ではアイドル振動の改善を目的とし,アイドル時の低周波振動の低減にのみ注目した. 昨年度,実験ユニットによるベンチテストにおいて,エアマウントがゴムマウントよりも大きな減衰が可能である事が証明されたので,今年度は実車にて同様な減衰効果があるか検証した.本研究はノーステック財団の支援による,北海道工業大学,室蘭工業大学,ワーカム北海道との共同研究である.
環境に配慮したフルードパワーシステムの限界設計に関する研究
永石 晃一,田中 豊,鈴木 隆司
受付: 2010年3月15日    PDF    抄録
建設機械や舶用機器,各種試験装置などに多用される油圧駆動システムでは,システムの小形化(油タンク容積の低減)や省資源(使用油量の低減)と高圧化の両立が大きな課題である.従来の油圧システムの作動油を収容する油圧タンクでは,油面からの空 気の巻き込みや溶存空気の析出により,作動油に気泡が混入することが多く,タンク内で気泡を浮上させて自然放気除去させるため,必要以上に大きなタンク容積を必要としていた.本研究では,油中の気泡を積極的に除去する装置の流れ解析を通して,機器 の最適設計指針を探る.
バドミントンラケットの振動解析
石井 伸幸,寺田 恭平,岩原 光男,長松 昭男
受付: 2010年3月17日    PDF    抄録
多くの愛好者を抱えるバドミントンというスポーツではあるが,その際に使用するバドミントンラケットにおいては,テニスラケットなどと比較してあまり深く研究されておらず,また振動特性もかなり違うため、解明されていない現象が多い.その為,実際の開発現場でも上級者による実打実験などによる官能評価に頼っているのが現実である.本研究は、このようなバドミントンラケットに実験モード解析,作成したFEMモデルに計算モード解析を施し,実際の打球感と振動特性との関係を明らかにするため、研究を行った.