vol.22 (2009)

情報メディア教育研究センター 研究報告
Vol.22, 2009 ISSN 1882-7594

表紙
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アルゴンとクリプトン混合物における蒸発の定容分子動力学シミュレーション
片岡 洋右,山田 祐理
受付: 2008年7月14日    PDF    抄録
アルゴンとクリプトン混合物における蒸発の様子を定容分子動力学シミュレーションにより観察した。分子間相互作用のポテンシャル関数はレナード-ジョーンズ型である。初期分子配置は液体部分と分子を含まない気体部分からなる。温度T = 110K, 総粒子数 N = 7776、モル分率 = 0.5の条件で、熱力学量・2体相関関数・平均2乗変位・自己拡散係数を求めた。またcpu時間や内部エネルギーの平均値がカットオフ距離にどのように依存するかを調べた。
剛体ばねモデルにおける要素内応力の評価法について
竹内 則雄,田尻 康之,山村 和人
受付: 2009年2月26日    PDF    抄録
剛体ばねモデル(RBSM)は,一般化された離散化極限解析用のモデルであり,剛体変位場を仮定する.このため,要素内の応力を求めることができない.一方,著者らは,ハイブリッド型仮想仕事の原理を用い,線形変位場を仮定するハイブリッド型ペナルティ法(HPM)を開発した.本論文ではこのHPMの変位場に剛体変位場を適用することで,RBSMにおける要素内応力を近似的に求める方法を提案し,いくつかの数値計算例により得られる解の精度について検討した.
校舎からの児童の避難シミュレーション
田中 后郁,竹内 則雄
受付: 2009年2月26日    PDF    抄録
本論文では,校舎から児童が避難する際の経路の影響をシミュレーションにより検討した.シミュレーションモデルとして,児童教員数が372名の小学校を想定した.校舎は3階建てで,各フロアに4クラス,救助袋が3階の1カ所に設定されている.本シミュレーションによって以下の結果が得られた.(1)通路などの構造上の仕組みを工夫すると効果的な避難が行える.(2)適切な誘導が無ければ救助袋の効果はあまり期待できない.
分子動力学シミュレーションによるダイアモンドの融解
末光 涼太,片岡 洋右
受付: 2009年3月4日    PDF    抄録
分子動力学シミュレーションにより、高圧下におけるダイアモンド結晶の融解を調べた。 圧力を指定し、徐々に設定温度を上げていって、体積やエンタルピーの変化を見て融点を同定した。使用したポテンシャルはTersoffポテンシャルである。常圧における実験値と比べ高い融点が得られた。弾性定数でポテンシャルの妥当性を検討した。
分子動力学法によるArの等温線とファンデルワールス理論
伊藤 千鶴子,片岡 洋右
受付: 2009年3月4日    PDF    抄録
分子動力学シミュレーションでArgonの密度を変えたときの圧力と内部のエネルギーを調査しました。今回のシミュレーションには“Materials Explorer 4.0”を使用した。 分子間相互作用エネルギーはレナード・ジョーンズ関数とした。 結果の等温線と理論式を比較し有効性を調べた。
臨界点付近におけるArと水の圧縮率因子の比較
田中 佳太,片岡 洋右
受付: 2009年3月4日    PDF    抄録
アルゴンと水の圧縮率因子を気液臨界点近傍で比較した。計算方法は分子動力学シミュレーションである。アルゴンについてはレナードジョーンズ関数を使い、水についてはSPCEモデルを仮定した。得られた圧力から圧縮率因子Zを求め、横軸には臨界圧力で換算した換算圧力をとって比較した。水に対しては水素結合の影響が観測された。
分子動力学法による気体の急冷
小宮 力,片岡 洋右
受付: 2009年3月5日    PDF    抄録
密度の高い気体的構造から分子動力学法により、温度を急激に下げて得られる構造を調べた。典型的にはクラスター構造と気体的な構造に分けられた。使用したポテンシャルは12-6のレナード・ジョーンズ関数である。使用したアンサンブルはNTVである。分子数を20に固定した計算である。密度により、クラスター的構造が現れる温度領域が変わることが分かった。
環境に配慮したフルードパワーシステムの限界設計に関する研究
 -気泡除去装置内の流れ解析-

田中 豊,鈴木 隆司,永石 晃一
受付: 2009年3月5日    PDF    抄録
圧電素子を利用し、スマート化を適用した柔軟構造体に対してのH∞制御を示す。近年、機械や高層ビルなどの構造物は、軽量化や長大化が進み柔軟化傾向にある。その結果、外乱により振動が容易に励起されるため、作業効率の低下ばかりでなく安全性を脅かす原因となっている。この振動を抑制するために現在アクティブ制振技術の実用化研究が盛んに行われる。 本研究では柔軟構造物における振動制御問題について、コンピュータシミュレーション及び実験装置による制御実験を通してH∞制御の適応性を考える。
分子動力学法による Cu-Ni 合金の物性
木内 聡美,片岡 洋右
受付: 2009年3月6日    PDF    抄録
Cu-Ni合金における相転移の様子をNTP分子軌道法で観察した。分子間相互作用の関数にはGEAMポテンシャルを使い、計108個になるようにCu100%から10%ずつNiを加え、11種類の組成で計算を行い、内部エネルギー、2体相関関数、積算配数などから相転移の様子を観察した。
最適化手法による波動透過境界作成に関する研究
古谷 忍,吉田 長行
受付: 2009年3月6日    PDF    抄録
地盤の非線形な挙動の解析に有効な有限要素法は有限領域を対象とする数値解析手法であるため,無限あるいは半無限弾性体の波動伝播問題に適用する場合には,内部から外部に逸散する波動が境界領域で反射しないための工夫が必要である。本研究は有限領域での無反射境界装置の作成を目指した初期研究である。無反射境界装置付1次元仮想棒材モデル,2次元仮想棒材モデル,2次元仮想地盤モデルを解析対象として,最適化手法による有効な評価関数を設定し,各数値の最適化の理論確認と分析を行う。
開放分岐型構造の3次元動的解析に関する研究
渡邉 敦史,吉田 長行
受付: 2009年3月6日    PDF    抄録
本論文では自然界に存在する,上部および下部へ開放,さらに分岐する構造形態を開放分岐型構造と定義する.その中でも,特に樹木の耐震性に着目し,樹木の枝の機能・目的を力学的側面から捉え,導いた理論式を用い,(1)樹木の成長段階の異なるモデルの作成,(2)作成したモデルの動的特性についての検討を行う.
Javaを用いた構造力学教育支援ソフトウェアの開発
安川 純平,助川 智洋,吉田 長行
受付: 2009年3月6日    PDF    抄録
ものづくりをする上では感覚や知識が必要不可欠と言われており,構造力学において講義で学んだ理論や数値が,実際にどのような力を与え影響を及ぼすかをイメージできることは多大な助長となるであろう.そこで講義の中での補助教材,自宅での予習・復習など,PCを通して自分の成長を確認できるような環境を提供することを目的としJava言語を用い教育支援教材ソフトウェアを開発した.
Al2O3の微粒子高速衝突損傷の数値シミュレーション
小川 靖博,新井 和吉,佐藤 英一,長谷川 直
受付: 2009年3月9日    PDF    抄録
を確立する目的で、Al2O3に対する微粒子高速衝突損傷の数値シミュレーションの検討を行った。被衝突材としてAl2O3を、衝突材としてSUS304を用い、衝突速度1.0km/s 以下および1.91km/s における高速衝突実験を行い、数値シミュレーション結果の妥当性の検討を行った。
ベンジル位アニオンの気相安定性に及ぼす置換基効果
中田 和秀,藤尾 瑞枝,西本 吉助,都野 雄甫
受付: 2009年3月13日    PDF    抄録
種々のベンジル位アニオン系の気相安定性に及ぼす置換基効果を理論計算を用いて決定し、互いに比較した。統計的検討からベンジル位アニオンの気相安定性は、誘起効果、共鳴効果、およびサチュレーション効果の3つの電子効果によって決まることが明らかになった。この事実は、アニオン系の置換基効果解析においては上記3項からなる湯川-都野式が必要であることを示唆している。
環境配慮型都市における景観ガイドライン形成に向けての基礎的研究
 ―外濠を対象として―

宮下 清栄,橋口 達也,南口 循,加藤 哲,儀同 聡
受付: 2009年3月14日    PDF    抄録
都市再開発による高層建築物の問題が顕在化している.また,近年の低酸素型社会への要求により高層建築物が容認される方向にある.そこで,本研究では高層建築物による環境面と景観面の両面から検討し地域としてのガイドラインの構築のための基礎資料を得ることを目的とする.また,住民参画を促すための提示手法としてVRデータを構築している.対象地区として近年再開発が活発化してきた江戸城外濠地区を事例として検討した結果,高層建築物は環境面では優れている点も多いが,景観面では問題があり建物高さとしては40-60m程度が適切であると思われる.
繊維強化型プラスチック製バットの振動特性
黒澤 彰久,岩原 光男,長松 昭男
受付: 2009年3月17日    PDF    抄録
近年FRP(繊維強化型プラスチック)製バットが注目されはじめているが,バッティングの際しびれが強いという問題点がある.本研究では,実験モード解析を行うことにより振動解析という視点から原因解明を試みた.まず,FRP製バットにおいて加振実験を行いモード特性による比較した.次に,実打実験でしびれについての確認及びアンケートを行った.最後に,精度のよい実験モード解析を行うために,減衰による検討を行った.
スポーツ用品のモデル化と振動シミュレーション
森山 幸湖,黒澤 彰久,岩原 光男,長松 昭男
受付: 2009年3月17日    PDF    抄録
スポーツ用品は,製作者の勘や経験にたよって製造されており,具体的な3次元モデル化や解析が行われていないことが多い.本研究では各種スポーツ用品において具体的なモデル化を行い振動特性を予測し実物との一致を目指した.本研究では,金属バット・バドミントンラケット・FRPバットを対象としてモデル化を行い,スポーツにおいて重要であると考えられる振動特性を比較することによりモデルの正当性の確認を行った.
音響シミュレーションプログラムの精度確認と改良
齋藤 幸宏,谷口 大樹,岩原 光男,長松 昭男
受付: 2009年3月19日    PDF    抄録
音響シミュレーションプログラムは当研究室で開発した放射音を予測するプログラムである.過去の研究ではゴルフクラブの打球音を予測する研究が行われており,結果としてドライバーでの加振実験によって収録した音と,音響シミュレーションプログラムにより算出した音に違いが見られた.そのため本研究では単純な動特性が得られる平板を用いて実験と計算を行い,プログラムの実用性を検討する.