vol.21 (2008)

情報メディア教育研究センター 研究報告
Vol.21, 2008 ISSN 1882-7594

表紙
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河川流域の水環境解析のためのGISモデルに関する研究-芦田川流域を中心に-
小寺 浩二,中山 祐介,清水 裕太,小野寺 真一
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
河川流域の水環境保全・復元・再生・管理などのためには、流域全体の水環境情報を整理し、解析した上で図化できる流域GISモデルが必要である。本研究では、地理学的手法や視点と小流域原単位法を活かした汚濁負荷解析のための新たな流域GISモデル構築を目指し、芦田川流域を対象に予察的な試みを行った。その結果、更なる課題は明らかになったものの、本手法の有効性を示すことができた。
Al2O3の微粒子高速衝突損傷挙動
美濃輪 秀明,新井 和吉,佐藤 英一,元屋敷 靖子,長谷川 直
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
本研究では、セラミックス材料に微粒子が高速で衝突した場合の損傷挙動を解明することを目的に、Al2O3を対象とした数値シミュレーション手法の検討を行った。被衝突材としてAl2O3を、衝突材としてSUS304を用い、衝突速度1.0km/s以下および1.91km/sにおける高速衝突現象の数値シミュレーションを行うことにより、Al2O3の損傷挙動について数値シミュレーションと高速衝突実験の比較、検討を行った。
トランスピレーション冷却を有するタービン翼列内の流れの数値解析
伏見 雄一,水木 新平,辻田 星歩,平野 利幸
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
ガスタービンの効率向上には,タービン入口温度(TIT)の増加だけでなく冷却空気流量の低減を実現しうる冷却技術の開発が重要である.  理論的に最も有効な冷却法は多孔質材料を利用したトランスピレーション冷却であり,冷却空気流量の低減が可能である.  本研究では汎用のCFDコードを用いて多孔質材料で形成されたタービン翼モデル流路内の二次元流れを解析し,多孔質材料の空隙率の冷却効率への影響について調べた.
ラジアルタービン内部流れの三次元数値解析
小松 智哉,中野 剛太,辻田 星歩
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
ラジアルタービンの空気力学的性能を向上させるためには、その内部流れの挙動の詳細を正確に把握することが必要不可欠である。しかしラジアルタービンは一般的に小型でさらに高速で回転するため、実験的手法により内部流れを詳細に測定することは非常に困難である。また、ラジアルタービンの内部流れを対象とした数値解析例もラジアルコンプレッサのものと比較して非常に少ない。 本研究では、ラジアルタービンの内部流れを汎用のCFDコードにより解析し、その挙動の詳細を明らかにした。
ゴルフクラブの打球音シミュレーション
榎本 真宜,谷口 大樹,岩原 光男,長松 昭男
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
現在,ゴルフクラブは規定があるため飛距離の性能において他のゴルフクラブと差別化を図ることが困難になっている.従って近年,打球音が商品の付加価値を決める要因として注目され始めている.ゴルフクラブの打球音を設計段階で予測できれば,時間やコストを削減できる.本研究では,速度ポテンシャルの重ね合わせ理論を基に打球音予測プログラムを作成し,その正当性を検討してきた.昨年度までの研究で中実構造のアイアンヘッド,そして中空構造のドライバーヘッドにおける検討で一致し成功した.今年度はシャフト付きのドライバーを使用して打球音予測プログラムの正当性を検討する.
シロッコファンの振動特性
吉田 達也,栗原 祥吾,岩原 光男,長松 昭男
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
本実験対象であるシロッコファンの振動特性を得るために、実験モード解析を行いモード特性の同定を行いました。更に、シロッコファンの有限要素モデルを作成し、計算の面からも振動特性を同定します。そこで今研究では、全体での有限要素モデルを作成した所、再現性が悪かったため部品毎に有限要素モデルを作成していく事により、その原因を追究していきました。そして最終的に、より再現性の高い有限要素モデルを作成する事を目的としています。
モード解析によるバドミントンラケットの振動特性
後藤裕太, 寺田恭平, 岩原光男, 長松昭男
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
バドミントンラケットはスポーツ用品としては主流製品といえない。そのためテニスラケットに関する研究は数多く見受けられる]が、バドミントンラケットに関する研究はほとんど見受けられない。本研究の目的はTETRACROSS500、TETRACROSS700という2本のバドミントンラケットを用い、シャトルコックがバドミントンラケットの振動特性にどのような影響を及ぼすのかを把握し、バドミントンラケットの基礎振動特性を求めることを目的として研究を始めた。
柔軟構造体のシステム同定とロバスト制御系の設計
阿部将英, 谷口大樹, 岩原光男, 長松昭男
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
圧電素子を利用し、スマート化を適用した柔軟構造体に対してのH∞制御を示す。近年、機械や高層ビルなどの構造物は、軽量化や長大化が進み柔軟化傾向にある。その結果、外乱により振動が容易に励起されるため、作業効率の低下ばかりでなく安全性を脅かす原因となっている。この振動を抑制するために現在アクティブ制振技術の実用化研究が盛んに行われる。 本研究では柔軟構造物における振動制御問題について、コンピュータシミュレーション及び実験装置による制御実験を通してH∞制御の適応性を考える。
アルミナ‐グラファイト質耐火レンガにおけるAl2O3/C界面の理論的構造解析
本泉 光,片岡 洋右
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
分子軌道法によりアルミナ‐グラファイト質耐火レンガにおいてアルミナ(Al2O3)と炭素(C)界面の電子構造や原子配列について考察した。 計算結果から、炭素原子をアルミナの酸素界面の酸素原子上に配置した時に、エネルギー的に安定であることが分かり、また酸素‐炭素間には共有結合性とイオン結合性を合わせ持つ強い結合が生じていることから、アルミナ‐グラファイト質耐火レンガにおいて酸素界面に炭素原子が結合しているであろうことが分かった。
レプリカ交換モンテカルロ法による長鎖状分子の折り畳み
山田 祐理,片岡 洋右
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
Polyampholyte (PA)は、電荷を帯びたモノマーが直鎖状に結合した分子モデルである。我々はレプリカ交換モンテカルロ法を用いて、このPAの畳み込みシミュレーションを行い、最安定構造を探索した。前半が正、後半が負とちょうど半分ずつ結合したdi-block PAでは、短い分子では真っ直ぐな二重螺旋構造が得られたほか、長い分子では二重螺旋が潰れたような扁平な螺旋構造が得られた。この最安定構造の変化は、分子内ポテンシャルのうち静電力の寄与によるものが大きいことが分かった。
定容分子動力学シミュレーションによるアルゴンの蒸発観察
片岡 洋右,山田 祐理
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
直方体の容器の中の一部をアルゴン液体が占める分子配置を用意し、一定体積の条件のもとで分子動力学法シミュレーションを行って蒸発の様子を観察する方法を述べた。定エネルギー法の分子動力学法と定温分子動力学法は熱力学量と自己拡散係数に関しては同じ結果を与えることを示した。次に基本セルにおいて気体部分を液体部分と比べどの程度の大きさに選ぶべきかを調べた。さらに液相の厚みを増した時の効果も調べた。
分子動力学法による秩序氷の加圧相転移
片岡 洋右,山田 祐理
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
低温(T=1K)における秩序氷の構造を少数個の分子を含むユニットセルについてのNTV分子動力学法で求めた。仮定したモデルはJorgensenの TIP4Pである。NTp分子動力学シミュレーションを各氷について行い、エンタルピーを圧力の関数として求めた。低温なのでエンタルピーから各氷の相の安定性の比較を行った。低圧領域でIhが次に氷IIがまた最も圧力が高い領域では氷VIIIが最安定との結果が得られ、巨視的実験値と対応する。ただシミュレーションでは中間圧力領域で氷IVが現れた点が異なる。
Advanced Compton camera における再構成画像の画質改善
栗原 孝史,尾川 浩一
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
コンプトンカメラは2段の検出器を用いてガンマ線の飛来方向をコンプトン散乱現象を利用して計測するものであるが、コンプトン散乱時に反跳電子をも計測することで,ガンマ線の飛来方向を狭い範囲に限定することができるものがadvanced Compton camera(ACC)である。本論文では,ACCにおける検出器のエネルギー分解能に起因する誤差,ガンマ線エネルギーに依存するドップラー広がり,電子飛程の計測時の誤差などに由来する再構成画像上のぼけの除去を目的として、系をshift-invariantと仮定しパラメトリックウィナーフィルタを適用した.この結果,ホットスポット的に存在する線源分布に対しては,ほぼ完全に線源分布を高コントラストで復元することができた。また、平面的に分布する線源に関しては,2次元のモデルを適用することで正確な分布が再現できることが明らかとなった.
コンデンサ中に流れる変位電流の可視化法
星野 賢治,齋藤兆古
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
電気回路を構成する主要な素子として電界エネルギーを蓄積するコンデンサーがある。コンデンサーは電気的絶縁物である誘電体をサンドイッチ状に電極が挟む形状で構成される。電極の端部では、いわゆる端効果が存在し、結果として電極の有効断面積が減少する。端効果の問題を解決することでより小型大容量のコンデンサーが実現可能である。本報告では、偏微分方程式を数値的に解く代表的な手法である三角形一次有限要素法により、静電界系の等価回路 を導き解析する手法、又開領域問題を双対な影像を想定することで、閉領域問題に置き換える双対影像法を使いコンデンサー中を流れる変位電流を求め、手法による差異の検討について報告する。
準解析的手法による渦電流分布の可視化
黒田 洪平,齋藤 兆古
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
従来から我々の研究室有では限要素法等とは全く異なる準解析的手法を提唱している.従来の準解析的手法では電流が可視化面に対し垂直方向に流れる場合の例しかなかったが,可視化面に対し平行方向に電流が流れる場合でも適用可能であることを論ずる. 本論文では,準解析的方法を用いた例題として,誘起電圧による渦電流の可視化を試みた一例を報告する.
Chua型磁化特性モデルによる鉄共振回路解析準解析的手法による渦電流分布の可視化
松尾 佳祐,齋藤 兆古
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
磁性材料はその磁気的構造上極めて複雑な磁化特性を呈する。特に磁性体で閉磁路を構成する変圧器やトロイダルリアクトル等では、磁性体の磁化特性が極めて支配的となる。本研究では、Chua型磁化特性モデルを用いて変圧器を含んだ鉄共振回路における非線形現象の解析に関するものである。従来、鉄共振現象は比較的多く解析されているが、磁性体の磁化特性で磁気飽和現象のみならず磁気履歴現象を勘案した現実に即応した解析が可能であることを提案する。
1/f ゆらぎに関する一考察
宮坂 総,須永 高志,齋藤 兆古,加藤 千恵子
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
1/f ゆらぎは人間に対して癒し効果があると言われている。本稿は非生物、人間自己駆動粒子に見られる1/f ゆらぎに関する系統的考察を与え、1/fが何故人間に対して癒し効果が有るのかの仮説を提唱するものである。また、磁性体の磁化過程が自己駆動粒子モデルで説明できることを主張している。
ビッター法による磁区画像の鉄損分布の可視化
須永 高志,齋藤 兆古
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
私は磁性体の磁区を可視化することにより磁性体のノイズを検査し、異常な部位を調べる研究を行っています。磁区を可視化する方法としてビッター法を採用しました。ビッター法とは、研磨された磁性体の上に磁性流体を乗せ、これに磁界をかけ、磁性流体を観察する手法のことをいいます。 従来では、高価な装置と熟練技術者の目視によって磁区の異常な部位の検査を行っていましたが、同じ検査を安価な装置とパソコンにより簡便に評価できる手法を開発しました。
過渡熱伝達分布測定による金属欠損の可視化
鈴木 剛,齋藤 兆古
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
ECTは非磁性体金属に対して極めて効果的な検査手段であるが、磁性体に対しては課題が残されている。磁性体を含む金属を対象とする非破壊検査法を提案する。検査対象である金属を加熱した場合の過渡温度上昇分布を赤外線ビデオで撮影し、過渡温度上昇分布から金属中の欠損を可視化する方法を検討する。すなわち、検査速度はECTに比較して低下するが、被検査対象である金属の材質を問ない熱画像を用いた非破壊検査技術の一方法を提案する。
波動透過境界の最適化に関する研究
伊野 慎二,古谷 忍,吉田長行
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
地盤の非線形な挙動の解析に有効な有限要素法は有限領域を対象とする数値解析手法であるため,無限あるいは半無限弾性体の波動伝播問題に適用する場合には,内部から外部に逸散する波動が境界領域で反射しないための工夫が必要である。本研究は有限領域での無反射境界装置の作成を目指した初期研究である。無反射境界装置付1次元棒材モデルを解析対象として,遺伝的アルゴリズムによる有効な評価関数を設定し,各数値の最適化の理論確認と分析を行う。
微小要素モデルとその非線形解析手法の検討
畠山 正之,安川 純平,吉田長行
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
地震などの災害が原因となる破壊現象を解析する際,これまでは連続体の解析手法を用いていたため,十分な結果を得ることができなかった.そこで,微小要素モデルという新たな物理モデルとその数値解析手法を提案する.このモデルを用いることにより,微小変形から塑性変形,さらには大変形・崩壊までを統一的に解析することができる.そして,このモデルを用いたコンクリート構造物のシミュレーションを行い,その有効性を示す.
開放分岐型構造の線形及び非線形動的解析
西川 元徳,三浦 寛生,渡邉 敦史,吉田 長行
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
本論文は樹木のように上部に向かって開放,分岐している構造を開放分岐型状構造と定義し,この構造物に対して,樹木モデルを作成し,線形梁理論及び幾何学的非線形性を考慮した動的解析を行う.2つの手法を用いて得られた結果から,変位・速度・加速度応答・ベースシア係数・最大応答変位などを比較し,調査・検討を行う.また,末端の枝の平均密度を2倍にすることによって,葉の付いた状態を考慮することにより,葉の付いた状態と付いていない状態での応答も比較し,調査・検討を行う.
骨格粒子モデルの動的追跡法
下山千里,宮崎明日佳,吉田長行
受付: 2008年2月29日    PDF    抄録
崖崩れや地盤の液状化などは個別要素法によって研究されている。個別要素法における問題に、計算時間が挙げられる。そのため接触判定が単純であり計算経済性が高いという理由から、従来の研究ではほとんどの場合円形要素を用いて解析を行っている。しかし円形要素を用いた際には回転しやすく実際の円粒子以上に回転してしまうなどの問題がある。本論では個別要素法における要素の回転を抑制するための検討を行う。
Discrete Analysis for Plate Bending Problems by Using Hybrid-type Penalty Method
Anna V. Vardanyan, Norio Takeuchi
受付: 2008年2月28日    PDF    抄録
本論文では,3次元ハイブリッド型ペナルティ法における2次の変位場に対して,Kirchhoff-Loveの仮定を適用し,薄板の変位場を導出した.この変位場は,z軸を面外方向とすれば,z軸方向の剛体変位(たわみ)とx,y軸周りの剛体回転,面内のひずみのz方向の勾配の6自由度で構成される.簡単な薄板の問題を解析して弾性解の精度を検証したところ,曲げモーメント,わたみとも,要素分割を細分化することで,高い精度の解が得られた.
遠隔教育でのICカードの利用
石田 則道
受付: 2008年2月6日    PDF    抄録
遠隔教育に於いては、担当教員は配信先の状況を把握することは、授業を進める上で重要な事柄である。しかし、現実的には対面する教室を見渡すことのみでカメラ越しの受講生を意識することはまれである。配信先に在席する学生の状況を知りたいとの要望に対して、昨年に引き続きICタグ付きのカードを新たに作成し配布した。今回のカードでは本人認証をするために写真を添付した。受講生は教室に入室する際、カードをリーダーにかざすことで、名前、入室時間などを記録するシステムを構築した。授業開始の早期に入室データを教員に手渡すことで、配信先の受講生を名指しで問いかけること可能になり、講義の一体感を思わせる効果があった。