vol.18 (2005)

計算科学研究センター 研究報告
Vol.18, 2005 ISSN 1347-6726 2005年3月22日発行

小型遠心圧縮機内の流れの数値解析
山本純平、秋山智仁、江藤量一、水木新平、辻田星歩
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近年、マイクロガスタービンによる電力用の分散型エネルギー源やモバイル電源、超小型飛行機用を目指したガスタービンの小型化に対する研究や試作が盛んに行われている。しかし、小型化された遠心圧縮機の内部流れの詳細を実験で解明することは不可能である。そこで本研究では、マイクロガスタービンを構成する超小型遠心圧縮機の実現を目指し、羽根車内の流れをCFDにより詳細に解明し、開発のための知見を得ることを目的とする。
翼形状及び翼先端間隙高さが超高負荷タービン翼列内の流れに及ぼす影響に関する研究
石原幸治、水木新平、辻田星歩
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次世代高出力・小型軽量タービンの性能向上の一つの方法として、タービン翼の高負荷化かある。しかしながら、タービン翼の高負荷化に伴い翼列内において複雑な三次元流れが発生し、損失が増大することが予想される。本研究では、負圧面の異なる三種類の超高負荷タービン翼列に対して、翼先端間隙高さ(TCL)を変え、翼列内に生じる流れをCFD (Computational Fluid Dynamics)により解析し、超高負荷タービン翼開発のための知見を得ることを目的とする。
直列に配列した2円柱まわりの流れに関する研究
田中祐一、水木新平、辻田星歩
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流れの中に置かれた柱状物体の流力振動問題は工学上数多く存在する為に、多くの研究が行われてきた。しかし流れに対して複数の円柱が存在する場合の研究は少ない。過去に、流れに対して2本の円柱を直列に配置した場合に単独の円柱において振動がおさまっている流速領域において振動が発生するという報告がされており、その発生メカニズムは明らかになっていない。そこで本研究では、流れに対して直列に2本の円柱を配置した場合に発生する振動のメカニズムの解明を目的とし、可視化実験および数値解析を行った。
耐スペースデブリバンパ材料(A6061-T6)の貫通限界速度
金本健吾、片山雅英、新井和吉
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本研究では、宇宙構造物用耐ヌペーヌデブリ衝撃材の創製を巨的とし、デブリを模擬した飛翔体の先端形状を変化させて、現在宇宙構造物用パンパの最外層として使用されているアルミニウム合金A6061-T6の貫通限界速度や破壊メカニズムおよび数値シミュレーションの妥当性を検討した。また、A6061-T6の板厚を変化させた数値シミュレーションおよび高速衝突実験も行い、貫通限界速度や破壊メカニズムに及ぼすデブリリパンパ材料の板厚の影響も検討した。
気泡除去装置内の流れ解析-気泡除去率による性能評価-
石田祐樹、田中豊、鈴木隆司
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建設機械や産業用機械は油圧システムを動力源として作動している。これら油圧システムにおけるパワーの伝達媒体である作動油中に含まれる気泡は、システムの動作特性に影響をお上ぼし、多くの場合、油圧機器トラブルの原因となる。そこで近年、旋回流を利用して油中気泡を取り除く気泡除去装置が開発された。この装置は旋回流により管内に圧力場を作り、圧力勾配を利用して気泡を除去することが出来る。本研究では、この気泡除去装置の気泡除去性能を明らかにするために、流れの数値解析を行い、性能の良い装置の最適形状を求めることを目的とする。
バーチャルリアリティ技術を用いた建設機械の遠隔操作システム
別府弘邦、水野太一、田中豊
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従来のカメラ画像やコンピュータグラフィックスを用いた遠隔操作に代わる新しい操作インターフェイスとして強調現実感を用いた遠隔操作手法を提案する.操作者の頭部の動きを検知し,それに基づきコンピュータグラフィックスとカメラ画像を同期させることで操作者の没入感を向上させ,あたかも遠隔地の現場にいるような感覚を提示する.本稿では建設機械の遠隔操作を応用例に取り上げ,その遠隔操作実験により通信距離に伴う通信時間遅れや遠隔操作による作業負担の有効性を実験的に検証する.
ゴルフクラブの音響・振動シミュレーション
服部孝弘、松村信宏、岩原光男、長松昭男
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現在ゴルフクラブの性能は、NPO(国際パークゴルフ協会)による規格が「基準クラブとの比較における飛距離の差は±3%以内であること」と定められているため、飛距離の面では差別化が図れない。従って近年、ゴルフを気持ちよく楽しむために、ゴルフクラブのスイング音、ボールとの衝突音が製品化に問われ始めている。本研究では後者を取り上げた。
シロッコファンの強度と振動特性に関する研究
桜井豪、大舘淳、岩原光男、長松昭男
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製品の応力や固有振動数などを製品ができる前に予想し許容応力外の場合に対策を立案するために、理論モード解析を使いファンケースとフランジの解析を行う。本研究では、ファンケースとフランジ、シロッコファンの強度・振動特性を求め解明する。
シンバルの構造最適化による音質の研究
粂田克也、正田義明、岩原光男、長松昭男
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音質に関する研究の対象として、打楽器シンバルを採用した。最初に、シンバルをモデル化するため、実験モード解析と計算モード解析を行った。そして、シンバルのモデル化後、設計条件を板厚、制約条件を固有振動数として、シンバル音質向上のための構造最適化を試みた。また、構造最適化によって音質が向上したのかを確かめるため放射音の計算を行った。
ステッピングモータの振動・騒音解析
小比田武、橋本国定、岩原光男、長松昭男、御法川学
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ステッピングモーターから発生される騒音を録音し,その音響解析を行った.実験はモーター表面から発生される騒音を,回転数を変えて録音した.同時に,表面振動を測定し,実験モード解析を用いて,ステッピングモーターの振動特性を解明した.実験は,加速度ピックアップをモーター表面に固定して,24点の応答を得てモード特性を同定し,モーター稼動時の現象を説明する.また,有限要素法による理論モード解析を行い,実験との比較を行った.
テニスラケットの実験モード解析と構造最適化
鈴木芳、大舘淳、岩原光男、長松昭男
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実験モード解析によりテニスラケットの固有振動数・固有モード・モード減衰比を求める。次にボールの落下実験を行い実打時の現象を再現し、実験モード解析と比較する。実験モード解析とボールの落下試験の結果をもとに、汎用有限要素法プログラムにより共振点と反共振点を算出し、それぞれの感度を用いた構造最適化を行う。
モード解析によるテニスラケットの振動特性と構造最適化の研究
大舘淳、岩原光男、鈴木芳、長松昭男
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実験モード解析を用いてテニスラケットの振動特性を解明し、模型テニスラケットとしたアルミ板に対し反共振点移動理論を使い構造最適化を試行する。実験は上級者用と初級者用の2種類のラケットを使用し、加速度ピックアップを固定しインパルス・パンフを移動して48点の応答を得てモード特性を同定し、実打時とボール落下実験の現象を説明する。模型テニスラケットとしたアルミ板の周囲に質量を取り付け、反共振点移動理論によりその質量を変えることで実験において最も振動の大きかった1次の固有振動数に対し共振峰消去の構造最適化を行なった。
レナード・ジョーンズ系のモンテカルロシミュレーション
丸山智史、片岡洋右
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分子系のメトロポリス法のモンテカルロ法プログラムを開発し、面心立方格子を初期配置として気体・液体・固体の他、クラスター相もシミュレート出来るように工夫した。また平均値が安定に得られるように周期境界条件を仮定した。また得られた分子配置をグラフィックスで容易に観察できるように分子表示ソフトとのインターフェイスを用意した。平均二乗変位を計算し近似的に自己拡散係数を見積もった。
井戸型ポテンシャル系の分子動力学法シミュレーション
竹内潤太郎、片岡洋右
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井戸型ポテンシャル系を剛体球の場合と同じアルゴリズムを使って分子動力学シミュレーションを行った。圧力・ポテンシャルエネルギーの平均値・自己拡散係数を幅広い温度で固定し、密度を変数として計算した。その結果この系の蒸気相・液相さらに固相を分子動力学法でシミュレートできることが分かった
炭素結晶の物性と相転移
青木健太郎、片岡洋右
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本実験は分子動力学ソフトMaterials Explorer 3.0 Professionalを用いてシミュレーションを行った。本実験では、まず一定圧力の下、ダイアモンドから出発して少しづつ温度を上げて行き、相転移計算を行い、その結果から体積変化、エネルギー変化などを見て、さらにその結果を元に二体相関関数、積算配位数や、平均2乗変位を求めることで相転移の様子を観察した。その結果、超高温域で相転移を確認することができた。また、予想していたダイアモンドからグラファイトへの転移は確認できなった。
ルジャンドル級数を用いたコンプトンCTにおける投影データの再構成
中山佳実、尾川浩一
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本研究はコンプトンCTによって検出されたデータから、光子の線源方向を求め、投影データを映像化することを目的としている。コンプトンCTは従来の放射型CTの様に、コリメータを用いて光子の飛来方向を制限しないため、コリメータを用いた場合に問題となる感度の低下を改善できるという利点がある。しかし、コンプトンCTで得られた光子の飛来方向は、コンプトン散乱角を頂角とする円錐状の領域ということまでしか限定できない。このようなデータから物体内部の3次元画像を再構成するためには、逐次近似的にカンマ線源の分布を求めていく方法と解析的に求めていく2種類の方法がある。本論文では、ルジャンドル級数を用いて解析的にカンマ線の飛来方向を求める方法を実装し、評価を行った。
数値シミュレーションによる乾暑地域における風土建築の温熱環境に関する研究
 ─ 採風塔を有する住宅の風・温熱環境について ─

菅原圭子、出口清孝、陣内秀信、安藤直見
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乾暑気候の地域に住む人々は,暑く乾燥した厳しい気象条件と共存するため,建物に様々な工夫を取り入れた。上空に吹く強い風を建物内に取り込む「採風塔」と呼ばれる塔を備え,さらに室内に噴水などを置き,取り込んだ風に水分を与えて加湿冷却された風が室内に入るような工夫をしている。そこで本研究では,この「採風塔」に注目し,数値シミュレーションで建物内の温熱環境を検討した。その結果,採風塔は風を取り込み,地下へ新鮮な風を運んでいることを確認した。また,塔の下や室内に噴水を置くことによって,そこを通過する風が加湿冷却を促していることもわかり,伝統的住居の工夫を現代建築に採用すれば,空調負荷を緩和し,より省エネルギー化につながることを確信できた。
離散要素モデルによる脆性材料の破壊解析の検討
加藤淳、青野淳也、吉田長行
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地盤や構造物は,微小変形領域では弾性的な挙動を示す.一方で液状化等を含む大変形領域では不連続体としての挙動が支配的となる.そこで,質点とそれを繋ぐ線要素から構成されるモデルに,ポアソン効果とせん断変形を考慮したばねを導入した離散要素モデルを開発し,微小変形から大変形・崩壊現象までを統一的に解析できる手法を提案する.
火災時の閉空間におけるコンクリートの挙動に関する研究
溝渕利明、林亮輔
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トンネル等の閉空間において火災が生じた場合,コンクリート表面部は高温に曝されることとなる.そこで,コンクリートの火害に関する研究の一環として,トンネルのような閉空間で火災が生じた場合に,覆エコンクリートの表面部がどの程度の温度まで上昇するか熱流解析を行った.さらに,熱流解析の結果を基に,温度応力解析を実施した.解析では,コンクリートが高温に曝されることにより剥落する現象を表現するために,コンクリートの破壊基準を設けて,基準に達したコンクリートを徐々に削除する方法を用いて行い,より実際に近い形での解析方法の検討を行った.
GISを用いた流出解析による雨水貯留浸透施設の設置効果の評価
山﨑亮、岡泰道、小寺浩二
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本研究では,地理情報システム(GIS)を用いて,流域の地理情報を分布型流出モデルに組み込み,これを用いて,都市化の著しい鶴見川流域を対象として雨水貯留浸透施設の設置効果を検討した.その結果,雨水貯留浸透施設の設置効果を流出モデルで評価することにより,鶴見川流域における,その流出抑制効果を定量的に評価することができた.さらに,山腹斜面系kinematic wave モデルの集中化手法に着目して,中間流を考慮したモデルを構築し,その妥当性を検討するため,流域特性の異なる2つの小流域に対して,モデルを適用した.その結果,中間流成分を組み込むことで,ハイドログラフの低減部における再現性が改善され,その妥当性が確認された.
3次元磁界ベクトル可視化に関する研究
藤枝直樹、早野誠治、齋藤兆古
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我々は、電気・電子機器周辺の磁界分布を可視化し、画像認識技術を用いて電気・電子機器の非破壊検査を行う方法を研究・開発している。磁界ベクトル分布を可視化する一方法は、磁界ベクトルの三成分をそれぞれ、可視光の赤、緑、青成分へ対応させる方法である。しかし、この可視化法は、同一磁界ベクトル分布であっても基準座標の選定で異なった磁界画像となる点が最大の問題となる。本論文では、任意の座標系において測定された磁界の三成分から基準座標を決定し、基準座標系による磁界ベクトル分布の可視化を行う。
フィルムトランスを用いた電源周辺磁界分布の可視化
臼田優、早野誠治、齋藤兆古
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スイッチング電源に使われる変圧器はスペースを取り、重量が重い欠点かおる。これらを改善したフィルムトランスを我々は開発した。このトランスは高周波で動作するため放射磁界を発生します。本論文ではフィルムトランスを用いたスイッチング電源開発に伴う放射電磁界において、放射磁界を解決する第一段階としてフィルム型トランスを用いたスイッチング電源周辺磁界分布を測定し可視化する。可視化された磁界分布より主要な磁界源を特定する方途を議論する。
等価固有値法を用いた熱伝導率の推定
河村憲作、早野誠治、齋藤兆古
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筆者らは磁性体磁区画像から磁性体の最も重要な特性である磁化特性を巨視的にも微視的にも抽出可能であることを報告してきた。結果として、動画像から被撮影対象物の物性を抽出する新しい学術分野開拓の可能性が示唆された。本研究では同様のアプローチを用いてあらゆる物理系の可視化情報から被撮影対象物の物性が抽出可能かを調査する。本論文ではその一例として熱源より拡散する輻射熱エネルギーを赤外線カメラによって撮影し、熱拡散分布に対応する赤外線動画像から媒質中の熱伝導率分布を推定する。赤外線動画像の時間領域および空間領域情報の杵肬を双曲線関数の指数値として抽出する一方法である等価固有値(ECV)法によって熱伝達系の線形性の評価を行う。
時系列周波数特性による光源特徴の一解析法
丸山和夫、早野誠治、齋藤兆古
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照明の一種として、自然界の酸化現象である燃焼は太古より利用されている。近年、ロウソクの炎にはf分の1ゆらぎによる癒し効果かおるとして注目されていることを背景に、自然界の酸化現象である燃焼を利用した照明と電球、LEDなどの人工的な照明との識別、また個々の被燃焼物質による燃焼現象のもつ特性抽出、そして、人に快適感を与える照明の評価を行う。その結果、自然界の燃焼現象はそれぞれ固有の特徴をもつことをしめす。さらに、非線形現象で観察される「f分の1ゆらぎ」をパワースペクトラムに基づいて可視化し、「f分の1ゆらぎ」がロウソクなどの燃焼現象に存在することを報告する。
電流分布推定に伴う逆問題解析の一方法
穴吹幸彦、早野誠治、齋藤兆古
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電気・電子機器周辺の電磁界分布から電磁界源分布を求める源推定逆問題は、電磁環境問題(EMC問題)を解決する有力な手段であり、真に環境にやさしい電気・電子機器の設計・製造論の確立をもたらす。筆者らはこの観点から源推定逆問題を解く幾つかの方法を提案してきた。源推定に関する逆問題解析の問題点は、与えられる既知情報量よりも求めるべき未知情報量が圧倒的に多く、何らかの拘束条件を仮定しなければ解か一意的に決まらない。本論文では、源推定に関する逆問題を解析する一方法として重み付き逆行列法を提案する。重み行列を適用して正規化した不適切線形システム方程式が依然として不適切である場合の対策手法を議論し、電気・電子機器周辺の局所的に与えられる磁界測定から機器内部の電流分布を可視化する方法を提案する。
磁気センサ信号の可視化とその応用
山下達也、早野誠治、齋藤兆古、堀井清之
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近年、建築物の非破壊検査や道路を走行する車輛の速度検知などの非破壊検査において磁気センサの社会的必要性が高まってきている。磁気センサは検出信号の電気的変換が比較的容易であるという利点を有するため、非破壊検査のへの応用など広汎に利用されている。直流磁場を用いた場合、ピックアップコイル型磁気センサはセンサ自身と測定対象物が相対的に運動している必要かおるため、測定対象物に合わせたセンサ設計が必要となる。本論文では二種類の磁気センサを提案する。一方は、測定対象物が運動している場合を想定した対象物の近傍にセンサコイルを固定するパッシブ型センサ。他方は、対象物が固定されている場合を想定したセンサコイルを振動させるアクティブ型センサである。これらのセンサを用いた基礎実験を行い、それらの有効性を評価する。
離散値系テイラー級数展開を用いた動画像認識
小杉山格、早野誠治、齋藤兆古
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従来の画像認識法の大部分は画像の幾何学的特異点抽出に基づいている。より具体的に人間の顔画像認識を考えれば、眼球間と眼球と口間の距離の比などを個々の顔情報の普遍量として顔画像識別を行う。しかし、このような従来の幾何学的特異点抽出に基づく顔画像認識法は、特異点の定義やその抽出法、顔表情の変化による特異点の変化などの問題点かおる。このような従来の画像認識法の問題点を克服するために、筆者らは画像の色情報を利用した全く新しい画像認識法を提案し、画像を構成する色情報に基づくこの新手法が画像の幾何学的な面情報を包含するため、良好な精度で画像認識を可能とする事を報告した。さらに、この新しい方法を動画像認識へ拡張し、静止画像に比較してより高精度な画像認識が可能である事も既に報告した。本論文では、動画像のみが含有する対象物の移動速度や加速度情報を色情報として抽出する方法を提案し、その妥当性を検討する。
ライン信号の可視化画像による信号認識
木村祐二、早野誠治、齋藤兆古
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オシロスコープ等で観測されるライン信号は、その解析には熟練技術を要する。筆者らはライン信号を可視化画像へ変換する方法である3次元リサージュ法を提案し、可視化画像診断技術の代表である画像認識手法を適用することでライン信号診断に必要とされる技術的習熟度削減を意図した研究を進めている。3次元リサージュ法問題点は単一の信号から可視化画像を生成するため、信号を感知するセンサに対する依存度が高いことである。本論文ではこの問題点を解決する一方法として、比較的単純なセンサを複数個用いることでセンサにロバスト性を与えたマルチセンサ型3次元リサージュ法を提案する。この方法で可視化した測定ライン信号に対して画像認識手法を適用し、認識精度に関する従来法との比較より有効性を検証する。
電気インピーダンス法による導電率分布可視化とその実験的検証
音川英一、早野誠治、齋藤兆古
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顔の見える出席管理システム
石田則道
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法政大学工学部では、教室内の机に情報コンセントが備え付けられ、誰でもがノートPCからWeb環境をいつでも利用することが可能である。前年度、そのWeb環境下で出席管理システムを構築し、授業で利用してきた。今回そのシステムに「顔」画像を組込みことで、受講生との距離をより身近な存在に感じるシステムが得られた。
ウェーブレット変換による磁界分布データのハンドリング
松山佐和
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離散値系ウェーブレッド変換によるデータ解析法としては、データの特性が集約されるウェーブレッドスペクトラムのマザーウェーブレッド近傍要素のみを取り出すデータ圧縮、および、多重解像度解析による時間・周波数領域にまたがる解析があげられる。これを応用し、さまざまな測定データの圧縮とノイズ低減法を提案してきた。本論文では、スイッチング・レギュレータ上に生じる磁界の測定データに3次元の離散値系ウェーブレッド変換を適用し、ウェーブレッド変換による画像圧縮法と同様に、磁界分布データの情報量の削減が可能であることを示す。また、離散値系ウェーブレッド変換の対象となるデータの個数は2のべき乗個に制限されているため、貴重な観測・計測データを十分に活かしきれない場合がある。データを有効に活用し、データの周波数特性を損なわない補間法を提案する。この結果、データを64分の1に圧縮した場合でも元のデータの特性を十分に保持でき、3次元空間の大容量データの圧縮に有効であることを示す。